武井怜のこの世は遊び場

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【ビネグレットドレッシング】

11月2日(日)

【ビネグレットドレッシング】
ベーコンと目玉焼きにサラダドレッシングをかけようということになり、おべんべんがベーコンと目玉焼きを作ってくれている間に、私はローソンに食パンとサラダドレッシングを買いに行った。
2人の意見がフレンチドレッシングで合致したため、私はそれを求めに行ったのだが、残念ながら売り切れていたのだ。並んでいたのは、すりおろしオニオンドレッシング、和風ドレッシング、焙煎ごまドレッシング、そしてビネグレットドレッシングであった。
ビネグレットドレッシング以外、すべて味の想像がついた。しかし「ビネグレット」と言われても、プーさんの相方?と思うくらいで、味はもちろん、色すら想像がつかなかったのだ。そのためビネグレットドレッシングを選択肢から外すのもありだったが、そうすると、すりおろしオニオンドレッシングを買うことに決まってしまうのであった。なぜなら、今まで「ベーコンと目玉焼き」と書いてきたが、要は「ベーコンエッグ」である。ということで、「和」である和風ドレッシングと焙煎ごまドレッシングを選択肢から外したのだ。かといってフレンチドレッシングを買いに来たのに、それがなかったため、こんなにも簡単に、すりおろしオニオンドレッシングに決めてしまっていいのだろうか、もしかしたらビネグレットドレッシングがフレンチドレッシングのあだ名みたいなもので、実はフレンチドレッシングなのかもしれないし、そうでなくてもフレンチドレッシング以上に美味しいかもしれないと思い、私はすりおろしオニオンドレッシングとビネグレットドレッシングのどちらを買うか迷った。
子供の頃、悪事を働いては親に泣きながら自白してきた。それは緊張することであったが、悪事を働いてしまった罪悪感などを死ぬまでひとりで抱えるよりは、今自白したほうが気持ちが楽になると思ったからだ。今朝も、ビネグレットドレッシングを選べば朝食を失敗するかもしれなかったが、すりおろしオニオンドレッシングを選んで無難な朝食にして、「ビネグレットドレッシングにしていたらどんな味だったのだろう」と、この先ずっと気にするのも嫌だった。
そのため私はビネグレットドレッシングを選び、レジに向かったのだ。
興味あるもの、それも得体の知れないものに対しては想像をする。私はビネグレットドレッシングを、ピグレットのせいか、明太クリームのような色と想像していた。しかし実際は白く濁った色をしていた。この「想像と違う」具合は、てっきりポンプからシャンプーが出てくるかと思ったら、折り鶴が出てきたときくらいのものであった。