武井怜のこの世は遊び場

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【灯台下暗しの一風堂】

12月3日(水)

【灯台下暗しの一風堂
ラーメンに関して、極端な話、麺状でなく小麦粉の塊でもいいくらいに私は太麺派だったのだが、「一風堂」のラーメンがその考えを覆した。
数年前に、博多発祥のラーメン屋「一風堂」で働いていたおべんべんから、働いていた当時、昼休みは別のラーメン屋の油そばを食べに行っていたという話を聞いていて、一風堂はすごい美味しいラーメン屋というわけではないイメージがついていたから、私は一風堂には行ったことがなかった。
そんなおべんべんが先日、セブンイレブン一風堂のカップラーメンを買っていた。
それを一口もらったのだが、今まで細麺を鼻で笑ってきてごめんなさいと思うほどに美味しかったのだ。
そのことがきっかけとなり、先日おべんべんと一風堂に行った。
一風堂には、白丸と赤丸というメニューがあり、白丸が普通のとんこつラーメンで、赤丸は、白丸に香味油というものと、辛さを足したものらしい。
私はいつも赤丸を赤玉と言ってしまう。赤玉は下痢止めである。
初めてのため、おべんべんが勧める「赤丸バリカタ」を注文した。
「バリカタ」というのは麺の固さのことで、「粉落とし」から「バリやわ」まで選べるそうだ。
「赤丸バリカタ」が運ばれてきた。
一見日本とアメリカのハーフの人の名前のようだが、響きは全然そうではない。
通なら「赤バリ」と呼ぶそれは、私にとって夢のように美味しかった。
おべんべんも、「久しぶりに食べると美味しいな」と言っていた。
食べ終わってすぐに、一週間後にまた一風堂に行く予定をおべんべんと立てた。
それから一週間、私は一風堂に振り回された。
次は赤丸、白丸どちらにしようかと迷い、迷いすぎて夢に赤丸が出てきたのだ。
その二日後に白丸も出てきた。
夢の中の白丸には、本来赤丸にしか入れられていない香味油が入っていた。私の迷いポイントは香味油だというサインだったのかもしれない。
意思が固まらないまま当日を迎え、一風堂へ行った。
赤丸と白丸を合わせたピンク丸があれば、とりあえずそれを注文したのだが、ピンク丸は夢にも現実にも現れず、私はまた「赤バリ」を注文したのだった。
次回は「白丸ハリガネ」を注文する予定だ。
バリカタより硬いハリガネを注文すれば、食べているうちに麺が柔らかくなってちょうどバリカタくらいになるから、硬めの麺を食べたい私にとって一番賢い選択だと思うのだ。