武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【枕元が香ばしい】

1月5日(月)

【枕元が香ばしい】
年末に、枕の向きをいつもと反対方向に変えた。
おべんべんが実家に帰っている間、手の届く位置にお菓子や水を置いておきたく、神経質な私は、今までの枕の位置だと暖房の直風により、それらが腐るかもしれないと思ったからだ。
枕の位置を変えた一日目の夜、横になると、明らかに知っているにおいがした。
それは私にとって心地よいにおいだったが、そのにおいによる記憶は良いものでないことを覚えていた。
しかしその記憶がどんなものだったかは思い出せなかった。
二日目の夜もそのにおいがして、三日目の朝、急にその記憶の内容を思い出したのだ。
それは私の足のにおいだった。
リラクゼーションサロンでアルバイトをしていた頃、私はそこの休憩室を自分の足のにおいで充満させるほどに、足がにおっていた。
しかし不幸中の幸いというのか、私の足のにおいは香ばしい。
だから今回、枕元でにおったときも心地よく感じられたのだ。
それにしても、足がにおうことなど久しくなかったのに、またにおい始めたということなのだろうか。
周りの人には申し訳ないが、個人的には、香ばしいから辛くはない。
前述のとおり神経質な私は、自分の足が汚くて触れない。
それはにおう云々ではなく、菌がついていそうだからだ。
そんな足を今まで置いていた位置に頭を置くことも、私にとってはチャレンジであった。
そこに舞うにおいが足のにおいであることを知ってから、ここに足があったということを余計に実感してしまい、朝一でファブリーズをかけた。