武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【記憶違い】

4月1日(水)

【記憶違い】
高校生の頃、世界史のテストで七点をとった。
当時はとにかくいつも、何事もなんとかなると思っていたから、授業での先生の話も聞かず、テスト勉強も何もしなかった。
当日はさすがに焦った。
問題用紙がまるで東大の博士で、私にはわからないことばかりを聞いてきたからだ。
解答用紙には、自分の名前と、記号で答える問題以外、埋められる箇所がなかったから、私は一生懸命、授業のことを思い出した。
社会科教室という所に移動して、顔の濃い人が、砂漠で馬に乗っているビデオを見たことしか思い出せなかった。
国規模の日本史ですら、中臣鎌足中大兄皇子の蹴鞠の話と、デニッシュパンの話しか覚えていないのに、地球規模の世界史の授業内容を覚えているはずがなかった。
仕方がないから、そのビデオから、やたら聞こえてきた覚えのある名前を、記号問題以外の全部の空欄に埋めた。
その名前というのを、今は忘れてしまったのだけれど、アレクサンドロとかヘラクレス三世とか、そういう名前だった。この人、ディズニーの世界の人じゃなかったかなと思いながら解答用紙を埋めていった覚えがある。
アレクサンドロとかヘラクレス三世だらけの解答用紙は、前述のとおり七点で返ってきた。
と思っていたら、卒業後、当時のクラスメイトと遊んでいたときに、その話になって、違うよ、怜はあのとき六点だったんだよ。それで、私が七点だったんだよ、と言われた。
六と七の差は大きい。