【怜、見えないライバルに怯える】

4月23日（木）

【怜、見えないライバルに怯える】

近所のローソンに来たら、いつももちぷよを買う。

「この区域で一番もちぷよを食べているのは私じゃないかな」とおべんべんに言ったら、「日本で一番じゃない？」と言われた。

「日本で一番ということは世界で一番だからね」とも言われた。

私は世界で一番もちぷよを食べているのかもしれないと思ったときから、自分がすごい人になった気がした。

家から一番近いローソンには、もちぷよが平均一個しか売っていないのに、二番目に近いローソンにはいつも十個くらいあるから、私はそっちのローソンの方が好きなのだけれど、夕方そっちに寄ったら、珍しく一個しかなかった。

おべんべんに、「富豪がもちぷよを買い占めたんだよ」と言われて焦った。

今までは焦りなんてしなかったのに、もちぷよを世界一食べているのは私かもしれないと思ってから、この記録を譲りたくない気持ちになっていた。

でも、もちぷよを食べる時間の幸せはもっと譲れないから、食べる数を無理に増やしたりはしない。

だけど、私は見えないライバルに怯え始めた。