武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【怜、お寿司をおごる】

5月2日(土)

【怜、お寿司をおごる】
おべんべんへのお世話になり具合がものすごいから、私は今日、生まれて初めて人にお寿司をおごった。
ここでおごった相手がおべんべんじゃなかったら新しい展開なのだけれど、おごった相手はもちろんおべんべんだ。
私にとって初めてのことはそれだけではなかった。
回転寿司で回ってくるお寿司を、自分で手にとって手元に置いたのも初めてだった。今までどれほど人に支えられて生きてきたかという話だ。
それが生まれて初めてだとおべんべんに話したら、おべんべんは私をお寿司をテーブルに置く係に任命し、「サーモン取って、まぐろ取って」と次々に命じてきた。
お皿には二貫のお寿司が乗っていて、私が食べたいと思ったものは一貫ずつ分けていた。
だからサーモンのときもまぐろのときも一貫食べようと思っていたけれど、目の前に流れてきて手を伸ばそうとしたときに、隣のおじいさんが激しい咳をしたから食べられなかった。これが回転コンビニスイーツならば話は別だけれど、回転寿司だったから特にめげずにいられた。
おべんべんは左利きだ。私も左利き。そしておべんべんの私側でない隣、つまり私の隣の隣の人も左利きだったから、「わ、みんな左利きだね」と言った声が大きすぎた。