【マンモスうれぴーTシャツ】
5月4日(月)
【マンモスうれぴーTシャツ】
新宿でリュックから毛玉だらけのカーディガンを引っ張って、「この毛玉はデザインです」みたいなそぶりを見せて羽織ったちょうどそのときに、目の前にすごく寒そうな服を着ている女の子が現れた。
カーディガンを恵んでやろうとしたわけではない。彼女の服はいわゆる「おしゃれ」で、好きでその格好をしているのが一目でわかったからだ。きっとお気に入りの服で、それをどうしても着たかったのだろう。
小学生のとき、そんな経験がある。
お姉ちゃんが友達からもらった「マンモスうれぴー」と書かれたピンク色のTシャツを、私はもらったか勝手に着ていたかしていて、そのマンモスうれぴーTシャツが、お母さんが毎月通販でそれなりのお金を掛けて買ってくれていたワンピースを差し置いて、私の一番のお気に入りだった。元々の持ち主であるお姉ちゃんの友達か、お姉ちゃんか、私かがつけた習字の墨がおっぱいの位置についていたのにだ。