武井怜のこの世は遊び場

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【消しゴム使い切った】

5月5日(火)

【消しゴム使い切った】
女の子を見る目があるのかもしれない。
中学時代、二つ上の人達の卒業式の練習中に、卒業生ですごい可愛い人がいるなと思っていたら、彼女は高校生になってからモデルになったし、能年玲奈ちゃんも「高校生レストラン」のときに、すごい可愛いなと思っていたらこのとおり人気者になった。
そして最近は三戸なつめちゃんだ。知ったきっかけは忘れたけれど、この人すごい可愛い、と思っていたら雑誌でどんどん見るようになって、今では「前髪切りすぎた」らしい。
そして私は「消しゴム使い切った」。
生まれて初めてだ。
一円に笑う者は一円に泣くと思っている。それは消しゴムに対しても同じで、使い切ったのはシャープペンのてっぺんについている小指の爪の半分サイズの消しゴムだけれど、消しゴムに変わりはない。
私が何かを使い切るのは、すごいことだ。小学生の頃、キュロットのポケットに「なかよし」の付録のトランプを入れたまま洗濯しようとしていて、お母さんに「トランプ使えなくなるところだったよ」と言われた。私は、「『りぼん』のがあるからいいよ」と答えて、お母さんに叱られたことをよく覚えている。
だから大人になっても、例えば恋愛が長続きしないのはそういうところもあるのかと思っていたけれど、私は消しゴムを使い切った。これは成長の証だと思わずにはいられない。
小さい頃、鉛筆はどんどん短くなっていくみたいな詩を作ってお父さんに褒めてもらったことが、私が今の道に進むことになったきっかけのひとつだ。
スターバックスで消しカスに変わった消しゴムを見ていたら、あの頃の私はどんな詩を書いたのだろう。
とにかく私は消しゴムを使い切ったし、数日前に前髪も切ってもらった。今回も短い。切りすぎたわけではなく、あえてだ。