武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

歌人・エッセイスト 武井怜のブログです

【ACみたいなことを言うけれど】

5月12日(火)

【ACみたいなことを言うけれど】
チャラい友達が私に「目を見て話そうよ」と言ったときだけ、彼をチャラく感じなかった。
人の目を見て話すのが苦手だ。だけど目を見て話した方が相手も気持ちがいいと思うからそうしたいという気持ちはあり、そうするよう心がけてはいる。結果はいつも、一瞬見ることができたら良い方だ。話をしているときの私の目は相手の斜め後ろを見ていたりするから、よく相手がそっちの方を振り返る。
中尾彬か誰かが、霊感があることで有名な江原啓之と飛行機の中で遭遇したときに、挨拶をしながら斜め後ろを見られていたと話していた。それは幽霊がいたのだろうから私とは理由が違うと思うけれど、私もこのままではスピリチュアルな人だと思われそうだ。
だからそんな私が言っても説得力がなく、冒頭のチャラい彼に代弁してもらった方がよっぽど良いのだろうけれど、渋谷以外を東京と認めていない彼と連絡をとると疲れてしまうから私が言う。自分の考えであるのだし。
人と話すときはスマホから目を離すべきだと思う。
というのも、小さい子供を連れている親の目線がスマホに定着していて、子供の顔を全く見ていない光景を、最近よく目撃するのだ。
それは彼らの生活のほんの一部であり、家ではしっかり顔を見てコミュニケーションをとっているのかも知れないけれど、頻度の問題ではなく、親に目を合わせてもらえない子供は寂しがっているはずだ。
信号待ちをしているとき、小学校低学年くらいの女の子がお父さんに、「あのね、この前ね、それでね」と一生懸命話し掛けていた。お父さんは返事こそしていたものの、その目線はスマホの画面に釘付けだったのだ。
子供が子供でいる時間はあっという間だ。その時間も宝物だと思ってほしい。我が子と同じくらいに。