武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【怜、待ってみる】

5月18日(月)

【怜、待ってみる】
煮物を作ることも恋愛が下手なのも、本当はプードル柄のが良かったけれど在庫がない状況で入荷待ちをしなければいけないのなら、今目の前にあるバンビ柄のカーテンでいいやと思ってその場で購入するのも、結果を急ぎすぎて待つことが苦手だからだ。
けれどひとつ、待つことができた。そして待ち抜いた結果は良い方に動いたのだ。私が愛してやまないアメリカのアニメ「グラビティフォールズ」シーズン2の放送を、アメリカに行かずに待ち抜いた。
「シーズン2の放送が見たいなら、アメリカに行けばいいじゃない」と、私の耳元で何度マリー・アントワネットが囁いただろう。私はその囁きを、「日本はコンビニスイーツが最高に美味しい日本はコンビニスイーツが最高に美味しいあなたが言うところの『パンがなければケーキを食べればいいじゃない』のそのケーキ並みかもしかしたらそれを超える美味しさです特にローソンのもちぷよ」と唱えることで掻き消してきた。
煮物は待てば「おふくろさん」というあだ名がつくほど美味しいものを作れるかもしれないし、恋も待てば素敵な人と結ばれるかもしれないし、プードルのカーテンに至っては待てば確実に手に入る。それは今までもわかっていた。けれど待ち抜く体験をしていなかったから成功例を持ち合わせていなかったのだ。プードルに関しては成功も失敗もないのだけれど。
そして私は今回、アメリカに行かずに待ったら、「グラビティフォールズ」シーズン2の放送を、最高に美味しいコンビニスイーツを片手に観ることができるようになった。この成功が自信をくれたのだ。
だから、自分から進んでいくのもいいけれど、今後の私は必要に応じて、待ってみることができそうだ。
プードル柄を待ち切れずに買ったバンビ柄のカーテンのタグには「バソビ」と書いてあった。焦りは禁物だ。