武井怜のこの世は遊び場

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【ある女子高生が考えた社会貢献】

6月13日(土)

【ある女子高生が考えた社会貢献】
すごい女子高生がいたと言いながら、おべんべんがローソンから帰ってきた。
踏切が開くのを待っていたおべんべんの横に、4人の女子高生が現れ、そのうち1人が、踏切の、線路を挟んだ向こう側にいるおじさんに手を振ったらしいのだ。
周りの3人が彼女の行動に戸惑っていると、彼女は
おじさんは女子高生に手を振られるだけで嬉しいんだから、社会貢献しているの
と言ったのだという。
そしておじさんはというと、たしかにというべきか、はにかんでいたらしい。
高校生ってブランドだな、と私が感じたのはつい最近のことだ。つまり自分が現役高校生だった頃には、高校生であることの魅力を見出せなかった。演劇部で自分を見つめたり仲間を見つめる基礎練習をして、そういう機会が人一倍あったのにも関わらずだ。
けれど彼女は現役高校生の段階でその魅力に気づくことができているから、何か大きなものを掴めるのではないかと思った。
ただ彼女が実施している社会貢献は、手を振られたことで何か勘違いをした相手によって、彼女の身に危険なことが起こらないか心配だ。
もし彼女を筆頭に、おじさんに手を振る女子高生が街にあふれたら、社会がどういうふうにかわからないが、変わりそうだ。