シスターとゾンビが並んでシチューを食べていた
10月20日(月)
おべんべんが、「透明のモグラつかんでます」みたいな顔とテンションで、「今シスターとゾンビが並んでシチュー食べてて、すごいシュールだった」と言った。
お昼、新宿、レストラン街ときたら、当然ながら人通りが激しい。比較的すたすた歩かないと、他のお客さんを詰まらせてしまう。私達は、おべんべんがその謎の発言をし終えたときには、もう既にシチューの店の前を通り過ぎていた。
シスターとゾンビが並んでシチューを食べている?26年間生きてきて、畑でアイコンタクトをとり合うおばあさん二人組や、夜の下総中山で、自転車を持ちあげて奪い合う男性二人組の様子は見てきたけれど、シスターとゾンビが並んでシチューを食べている光景は見たことがない。そもそも当然なはずなのだが、小学生のときに友達の家で遊んだゲームと、「東京ゾンビ」という映画と、そしてウォーキング・デッド以外でゾンビを見たことがない。
私は「さっき見た看板、『カス』って書かかれていなかったかな?」などと、一度気になったままにしておくと、その後一生気にするんじゃないかという気がして、そう思うと来た道を戻ってまで見ておかなければならないと思う性格なのである。シスターとゾンビが並んでシチューを食べている姿も、見ておかないと「あのとき見ておけばよかった」と一生気になってしまうがして、人ごみの中、シチューの店の前に戻った。
いた。シスター2人組とゾンビ2人組が、ひとつの空いたテーブルをはさんでシチューを食べていた。ハロウィーンとは、人を強くするイベントである。