武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【ネイティブ的に】

12月6日(土)

【ネイティブ的に】
おべんべんと電車に乗っていたら、隣に外国人男性が座った。
私は日々気になっていた、自分の英語の発音をチェックしたいがために、おべんべんに小さな声で、今から英語をしゃべってみるから、隣の人が反応しているかどうかを見てほしいと頼んだのだが、断られてしまった。
しかしその後、おべんべんの「次降りる?」という質問に、私は無意識に「イエス!」と答えたのだ。
「イエス」の「エ」のあたりから、自分が英語を発したことに気づいた。直後に隣の彼の反応が気になった。
しかし、もし私がアメリカにいるときに、電車の中で現地の人が、「アリガトウ」と連れの人に言った直後にこちらを見てきたら、私は戸惑うかもしれない。
そのときの私はただでさえ、ゲームセンターでおべんべんが奇跡的に獲った、お腹周りがすっぽり隠れるほどのぬいぐるみを抱えて目立っていたのだ。
家に帰ってから彼が家族に、「でっかい猫のぬいぐるみを抱えた女が、"Yes!"と言ってこっちを見てきたよ」と、話のネタにされるだけだと思うと、彼の反応を見ることはできなかった。
しかし本当に、あのイエスはどのように聞こえていたのだろう。
日本人であっても、日々、「イエス」や「オーケー」などは自然と口にしてしまうものだと思うが、それを耳にした外国人には、どのように聞こえているのだろう。
私の「イエス!」が、ヘーベルハウスの「はーい」みたいに聞こえていたら恥ずかしいなと思う。
スーパーで
「夕飯、惣菜でいい?」
「オーケーオーケー」
なんて言っているが、その場に居合わせた外国人が聞いていたら、
「わかーった、わかーった」
と聞こえているのかもしれない。
海外ドラマの主題歌なんかも歌ってきていたから、こわい。