武井怜のこの世は遊び場

歌人、随筆家の武井怜のブログです

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【たぬき】

4月3日(金)

【たぬき】
白米に、半分に切られた煮卵がくっついたおにぎりが、たぬきおにぎり、という名前でスーパーに売られていた。
たぬき、というと、私は一気に色々なことを思い出す。
まず、一時期流行った動物占い、あれが私はたぬきだ。中学時代にそれを知って以降、たぬきが少しかわいい。
それでも鳥には敵わなかった。私は鳥類が好きだ。
高校受験のときも、家から近くて見学に行った、松戸国際高校の校門の前に、スズメが一列に並んで止まっているオブジェがついたポールが置かれていて、あれを見て、ここを受験したいなと思った。
だけど入りたかった演劇部の練習内容に、マラソンがあることを知ってやめた。
その後、ほぼ友達の付き添いで行った市川東高校の見学で、知っている先輩が多くて、楽しそうで、基本的にマラソンをしない、ここの演劇部に入りたいと思って、市川東高校を受験して入学した。
そしたら、東高の前にある、ふれんどという売店の前に、ズラーッとたぬきの置物が並べられていた。
たぬきとの縁は、これだけではない。
数年前、私には恋人がいた。
その人は私と付き合っていく中で、ぶくぶくと太っていった。
ある日、私のお母さんが彼の目の前で、彼のことを豆だぬきと呼んだ。
以上が、たぬきと私のエピソードだ。
お母さんの豆だぬきの件があったから、スーパーでたぬきおにぎりを見て、すぐに、煮卵をたぬきのお腹に見立てて、たぬきおにぎりなんだな、と思った。